株式会社エンバイオ・ホールディングス(東証マザーズ:6092)グループ
273m2
ドライクリーニング機付近で溶剤として使用していたテトラクロロエチレンの漏洩等により土壌が汚染され、さらに、汚染された土壌が地下水汚染を引き起こしていると推察された。
テトラクロロエチレン及びその分解生成物(トリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン)による土壌及び地下水汚染
土壌/地下水 | 項目 | 濃度 | 基準 |
---|---|---|---|
土壌汚染 | テトラクロロエチレン | 土壌溶出量 0.2 mg/L | 0.01 mg/L |
地下水汚染(低濃度) | テトラクロロエチレン | 地下水濃度 0.053 mg/L | 0.01 mg/L |
地下水汚染(高濃度) | テトラクロロエチレン | 地下水濃度 4.9 mg/L | 0.01 mg/L |
トリクロロエチレン | 地下水濃度 0.98 mg/L | 0.03 mg/L | |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 地下水濃度 1.8 mg/L | 0.04 mg/L | |
1,1-ジクロロエチレン | 地下水濃度 0.006 mg/L | 0.1 mg/L |
2014年6月~2014年11月
<工期内訳>
・2014年6月~7月中旬(1.5ヶ月間):浄化工事期間
・2014年7月中旬~11月(4.5ヶ月間):モニタリング期間
・原位置化学酸化(土壌)
・バイオレメディエーション(地下水)
・原位置化学酸化とバイオレメディエーションのハイブリッド工法
調査の結果、以下の表のとおり、テトラクロロエチレンによる土壌及び地下水汚染が確認されました。
表層部分の土壌汚染が、下層部分の地下水に拡散し地下水汚染を引き起こしていると推察されました。
土壌/地下水 | 項目 | 濃度 | 面積 | 深度 | 対策数量 |
---|---|---|---|---|---|
土壌汚染 | テトラクロロエチレン | 土壌溶出量 0.2 mg/L (基準:0.01 mg/L) |
6m×6m=36m2 | 地表面~-2m | 72m3 |
地下水汚染 | テトラクロロエチレン | 地下水濃度 0.053 mg/L (基準:0.01 mg/L) |
10m×10m=100m2 | 2m~10m | 800m3 |
調査結果により得られた汚染の範囲、深度、濃度から最適な浄化工法を検討・選択しました。
バックホウによる混合撹拌を選択した理由
表層の土壌汚染が原因で地下水汚染が引き起こされるため、土壌汚染を先行して浄化する必要がある。
対象深度(2m)を撹拌可能なバックホウを施工機械として選択した。
化学酸化剤を浄化薬剤として選択した理由
表層の土壌汚染が原因で地下水汚染が引き起こされるため、土壌汚染浄化を先行する。
VOCsを速やかに分解することができるため、化学酸化剤(フェントン反応剤)を選択した。
VOCsは、フェントン反応剤と接触後、水と二酸化炭素に分解される。
http://solution.enbio-eng.com/technology/oxidation.html
バイオレメディエーションによる浄化を選択した理由
バイオレメディエーションによる浄化計画
http://solution.enbio-eng.com/technology/bioremediation.html
●既存の調査結果のみでは、地下水の汚染状況が不明確。
(既存の調査は、10m×10mの範囲で1地点のみ)
調査方法
●土壌浄化後、地下水浄化のために使用するボーリングマシンを用いる。
●採取した地下水の分析は、現地測定による簡易分析とした。
●現地測定の利点は、
得られた結果
高濃度汚染のポイント
柱状改良機による施工イメージ
バイオレメディエーションによりPCEが減少、分解生成物の濃度が上昇するが※1、基準以下で推移
化学酸化によりVOCs濃度が急激に減少し、その後、バイオレメディエーションによりPCE及び分解生成物を基準適合まで減少
小松 大祐
北原 亘